日々是好日 シンプル生活と子育てとアート

読書と音楽と美術館、ソーイングのこと。時々文楽と心理学。

私の生きる場所

能を観て、ふと思い出したことがある。

 

小学生のころ、自分の家族を観て、私は思ったのだ。

「ここに、全てがある」

少々面倒な家庭だった。

愛も憎しみも罪悪感も希望も絶望、人間の業、この小さなひとつの家庭に、いろんなエネルギーが渦巻いていた。

小さな私は、それに苦しめられつつも、どこかで非常に興味をそそられていたのだ。

 

外の広い世界に行っても、これ以上に私の興味をひくものはないんだろうな。

私は、なによりも、この小さな家庭という宇宙の真理を知りたい、

私は、そう思った。多分、母を幸せにしたかったのだろう。

 

あれから、何十年も経つにつれ、そんなことは忘れていった。

私は、社会経験が少ない引きこもり気味な自分をものすごく恥じた。「自立しないと!」と、自分を奮い立たせて、挫折して、さらに自分の劣等感をこじらせていった。

 

地謡を聞きながら、そんな小学生のころの自分を思い出していた。

「ああ、あのときに、私は選んだのだな。私が決めたんだ。」

私は、家庭というこの小さな宇宙の真理が知りたい。

 

そして、神さまは、私の願いを叶えてくれた。

結局、私は、狭い世界からほとんど出なかったのに、いろんな濃密な出来事をプレゼントしてくれた。(苦笑)  

 

私の生きたいと思った場所は、家庭だった。

そして、日本だった。

やりたいこと、やってきたんだな。

でも、ようやく肚がすわった。

そして、寄り道ばかりしていると思っていた私の人生が、私の願った道のど真ん中をただまっすぐ歩いていたのだなと気づいた。

 

いろんな感謝の気持ちが湧く。 

しっかりと生きよう。