日々是好日 シンプル生活と子育てとアート

読書と音楽と美術館、ソーイングのこと。時々文楽と心理学。

異界と出会う

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ちょっとした空き時間に久しぶりに本屋を徘徊。

半分読んだところだが、ものすごくものすごく豊潤な世界が広がっていた。

そもそも著者の経歴が面白い。
漢文が元は専門で、甲骨文字がスラスラ読めるロルファーの能楽師って…。
すごく文章のバランス感覚がよいなと思った。難しすぎず、でも浅くない。

出だしが
「台北の街を、スクーターに乗って走り回った。」
小説のような始まり。
そこから、台湾の女学生との対話につながっていく。

「能は、演者が個人を深めていく演劇。
私たち台湾人には、自分の中の孤独をあれほど深く見つめる機会も勇気もありません」

うーむ、引き込まれる。

「なぜ人にとって異界と出会うことが必要なのか。
それは異界と出会うことによって、神話的時間を体感し、そして人生をもう一度リセットできる可能性を、感じるからではないだろうか」

異界というのは、能の中の異空間でもあるが、小説や音楽、絵画にも同じことが言えると思う。

なぜ文化が人にとって不可欠なものであるのか?著者は、豊かな表現で、謎解きをしてくれている。

読み終わるのがちょっともったいない。

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